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ウォール・ストリート・ジャーナル創刊号の1面
新聞(しんぶん、(英: newspaper)は、社会情勢一般(ニュース)または特定分野の出来事を報じ、対象とする層の中で広く読まれることを前提に定期刊行される紙媒体である。
新聞紙と呼ばれる低質の紙に印刷し、折り畳んだ状態で発売される。
日本の新聞社の発行する新聞紙の大きさは、ブランケット判と呼ばれている。 新聞は世界規模の出来事から国内外、地域内、さらにはコミュニティの内部などの情報伝達手段としてさまざまなものが発行されている。その中でも新聞社と呼ばれる新聞・報道を専門とした会社組織・報道機関が発行する新聞は情報の影響する範囲が広範囲であり、影響力は発行部数にほぼ比例する。小さなコミュニティの内部にも存在する場合があり、たとえば学校のクラス・部活動などで発行する学級新聞や学生新聞、地域で発行する地域広報などがある。新聞はテレビ・ラジオ・雑誌とともにマスコミ四媒体とされ、代表的なマスメディアのうちのひとつとされている[1]。 新聞は、取り扱う範囲内でさまざまな情報を盛り込むことを特徴としており、その対象層の中で広く読まれることや逐次性・速報性が重視されている。情報の伝達を使命としている点で、同じ紙メディアでもそれ自体が強い個性を持つ書籍や雑誌とは大きく異なる。そのため、使われる紙の質は悪く保存性が低い。 ラジオ・テレビ放送やインターネットが発達した現代社会においては速報性で優位に立てず低迷傾向にありながらも、利用者にとって取り扱いが簡便であることや共有性の高さなどから依然情報メディアとしての地位は揺らいでおらず、多くの人々にとって安価で多様な情報を入手するための有力手段の一つとして今なお存在感を保っており、おおむねどの国でもある程度の規模の都市であれば鉄道駅や商店・街頭で販売または掲示されている様子を見られる。 新聞は、刊行間隔・配布地域・内容などでさまざまな種類に分類される。 刊行間隔の分類では、もっとも一般的なものは毎日刊行される日刊紙である。日刊紙はさらに発行される時間帯によって朝刊紙と夕刊紙に分かれるが、日本のように多くの新聞社が朝刊と夕刊をともに発行している国も存在する[2]。ただし日本においても朝刊や夕刊のみの新聞は存在し、また経営難によって発行の少ない夕刊をとりやめ、朝刊のみの発行とする新聞社も2000年代以降増加している[3]。また、ユネスコの基準においては日刊紙は必ずしも毎日発行でなくともよく、週4回以上発行される新聞を日刊紙として扱っている[4][2]。このほか、週刊紙、旬刊紙(月に3回)、月刊紙、季刊紙などの新聞も存在する。 配布地域では、日本の新聞は大きく全国紙、ブロック紙、地方紙の3つに分類される。全国紙は文字通りその国土全体を対象として発行されるもので、日本では読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、産経新聞の5社が該当する[5](ただし、産経新聞は2020年10月に販売網を関東・近畿地方のみに縮小した[6][7][8]ため、全国紙の要件を満たしていない)。ブロック紙は厳密には地方紙に含まれるが、その中でも複数の県にまたがる広域地方圏を対象としているものを指し、東海地方の中日新聞、北海道地方の北海道新聞、九州地方の西日本新聞の3社が該当し[5]、また東北地方の河北新報や中国地方の中国新聞を加えることもある。地方紙はひとつの県かそれより小さな地域を対象とする新聞[5]で、一つの県を対象とするものは県紙、それより小さな地域の新聞は地域紙と呼ぶ。第二次世界大戦の前は1,400紙を超える新聞が存在していたものの、1938年から1943年にかけて行われた新聞統制によって各社は県ごとに統合され、一つの県に一つの新聞が置かれる「一県一紙」体制が成立した[9]。戦後にいくつかの新聞が新たに創刊された[10]ものの、基本的にこの体制は以後も存在し続けている。 この全国紙と地方紙の区分は日本以外にも存在する。イギリスではタイムズなどのロンドンに拠点を置く全国紙と、各地域の地方紙とが併存している[11]。これに対し、アメリカでは国土が広大なこともあって全国紙はウォールストリート・ジャーナルとUSAトゥデイの2紙にすぎず、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストのような大規模なものから田舎町の零細なものまで、非常に多くの地方紙が各地方に分立している状態となっている。
概説
分類
刊行間隔
配布地域
Size:100 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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